米専門家「非核化に2〜15年」…カギは北朝鮮側の「意志」
米専門家「非核化に2〜15年」…カギは北朝鮮側の「意志」
  • 徐台教(ソ・テギョ) 記者
  • 承認 2018.05.31 12:13
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米朝首脳会談実現に向けた米朝間の交渉が活発化する中、会談の大きなポイントである非核化の工程と日程について、米国の専門家たちが議論をたたかわせている。だが「肝」はどこまでも北朝鮮側の意志にあるという見方が支配的だ。
ジークフリート・ヘッカー、スタンフォード大教授。
ジークフリート・ヘッカー、スタンフォード大教授。

28日(現地時間)、ニューメキシコ州にある米国の核研究施設・ロスアラモス国立研究所所長を務めたジークフリート・ヘッカー教授は、所属するスタンフォード大学のホームページに、北朝鮮の非核化段階と日程についての共同報告書を発表した。

国際安保協力センター(ISF)の同僚2人(その中の一人は、著名な北朝鮮専門家のロバート・カーリン氏)と共に作成したこの報告書は、ヘッカー教授が米NYT紙とのインタビューで明かしたところによると「トランプ大統領と金正恩委員長が、首脳会談に複雑な主題についての議論を深めるために」公開された。




8つのカテゴリー、22の項目、3段階のプラン

報告書では北朝鮮の核プログラムについて、▲核兵器、▲科学者・技術者、▲ミサイル実験、▲プルトニウム、▲核融合燃料、▲ウラン濃縮、▲不拡散という大きく8つのカテゴリーに分類し、それぞれを合計22の下位項目に細分化した。

さらにこうした項目をそれぞれ、△停止−短期(1年以内)、△巻き戻し(後退)−中期(2〜5年)、△除去、制限−長期(6〜10年)という3段階の時間表に当てはめ、推進するべき優先順位をつけた。

短期(1年以内)では核兵器の生産、核、ミサイル実験、寧辺核施設にある5メガワット原子炉稼働の停止、核・ミサイル技術の輸出停止を誓約することが行われる。

中期(2〜5年)では核実験を禁止する一方、中・長距離弾道ミサイルの不能化・視察、寧辺5メガワット原子炉の解体、MTCR(Missile Technology Control Regime、ミサイル技術管理レジーム)への参加などを進める。

そして後期(6〜10年)では、核兵器の除去や検証ならびにNPT(Nuclear Nonproliferation Treaty、核拡散防止条約)、技術者の民間プログラムへの移動、ミサイルの破壊および実験・開発プログラム除去、核実験の禁止とCTBT(Nuclear Comprehensive Test Ban Treaty、包括的核実験禁止条約)への加盟、プルトニウムやウランの除去などが行われる。

米国の核専門家、ジークフリート・ヘッカー教授のチームが発表した報告書の一部。非核化に関わる8カテゴリー22項目がどう扱われるべきか、3段階の時期にわたって整理している。報告書の一部をキャプチャしたもの。
米国の核専門家、ジークフリート・ヘッカー教授のチームが発表した報告書の一部。非核化に関わる8カテゴリー22項目がどう扱われるべきか、3段階の時期にわたって整理している。報告書の一部をキャプチャしたもの。

一方、ヘッカー教授は、前出の米NYT紙とのインタビューで「私達は数十の場所、数百の建物、数千人の人物(技術者・科学者)について話している」と語り、「核施設を解体するカギは、核兵器以外の何かに、北朝鮮が安全保障を依存する関係を築くこと」とした。

同教授はまた「個人的な見解として北朝鮮の非核化には15年かかる」とし、その理由として「米国と北朝鮮が直面する政治的・技術的な不確実性」挙げた。

「2年で非核化」という意見も

他方、デービット・オルブライト科学国際安保研究所(ISIS)所長は、前出のヘッカー教授の非核化方式について「あまりに悲観的だ」とし、「まず簡単な部分に集中し、難しい問題は後に回す『恐ろしい傾向』がある」と評価した。

過去、イラクの大量破壊兵器視察に参加した同所長は29日(現地時間)、米紙VOA(Voice of America)とのインタビューの中で、「簡単な部分から解決しようとすると、後に困難な問題にぶつかりうやむやになってしまう可能性がある」と述べた上で、「今回は難しい問題から先に解決するのが目的」と主張した。

同所長は特に、「成功的で検証ができるように北朝鮮の核プログラムを廃棄することは2年以内にできる」とした。

また、ヘッカー教授らの非核化ロードマップのうち、核兵器と核プログラム廃棄および解体過程が、非核化の最終段階に置かれている点を指摘しなgら、「今回は根本的に別の方法でアプローチするべき」とした。

同所長は「非核化の過程で最も時間がかかるのは検証が難しいウラン濃縮プログラム」だとし、「この部分についてもまず、不能化した後で段階的に解体する手続きを踏んでいく」と説明した。

さらに、過去、寧辺核施設の視察を含め多くの訪朝経験を持つオリ・ハイノネン国際原子力機関(IAEA)元事務次長も、最近おこなった同紙とのインタビューで「北朝鮮の非核化は、すべての過程がうまくいく場合、現実的に2〜3年で十分だ」と語っている。

「肝心なのは北朝鮮の意志」

過去、ロスアラモス国立研究所で勤務していた核廃棄の専門家シェリル・ローパー氏は、同紙とのインタビューの中で「長い時間がかかる」とのヘッカ−教授の見方を支持した。

一方で、「この問題にはたくさんの事柄が関わっている」とし、その核心として「北朝鮮がどれだけ非核化に協力するか」という部分を挙げた。

さらに「北朝鮮には核関連施設が多いため、検証過程でも多くの問題が発生する可能性がある」とし、情報公開や検証における北朝鮮側の意志が非核化にかかる時間を左右すると主張した。
 


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