韓国全土に広まる「住民自治会」制度...外国人も参加対象に
韓国全土に広まる「住民自治会」制度...外国人も参加対象に
  • 徐台教(ソ・テギョ) 記者
  • 承認 2020.07.06 17:22
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韓国で住民の政治参加をうながす「住民自治会」制度が広まっている。政府は実績を元に32年ぶりの「地方自治法」の改定も目指す。
韓国・行政安全部のホームページ。
韓国・行政安全部のホームページ。

●議題を決め投票...18歳以上ならば参加可能

韓国で「住民自治会」制度のテスト運用が広がっている。

これまでアドバイス機関として邑・面・洞(町に相当する韓国の行政単位)に置かれていた「住民自治委員会」の権限を強めるもので、事業計画の立案から予算運用までを含め、行政に直接関わる範囲を大幅に増やす制度だ。

韓国の行政安全部による公式の位置づけは、「草の根自治の活性化と、民主的な参与意識の高揚のために邑・面・洞単位で設置・運営される住民参与機構」というものだ。

今月3日、韓国日刊紙『東亜日報』が伝えたところによると、行政安全部は1988年に制定された「地方自治法」を32年ぶりに改定する動きを見せている。住民自治の強化は、改定の目玉の一つとされる。

同紙は「住民自治会」運用の例としてソウル市衿川(クムチョン)区の始興(シフン)3洞の例を挙げている。

子どもの日のお祭りや、夏に幼児用のプールを設置するなどの事業について、住民が直接投票し、その優先順位を決めるというものだ。結果は予算の配分などに活用されるという。

投票は15歳以上ならば誰でも可能で、該当地域に住んでいなくとも、職場や学校がこの地域にあれば誰でも参加できるとのことだ。住民の目線で議題を探しだし、その実行を監視することにもつながる。

同紙はまた​​​​​、韓国では昨年11月の段階で​​全国86の市郡区、408の洞・面・邑で住民自治会が運用されていると紹介した。なお、住民自治会の試験運用は13年に始まっている。

評判もよいとのことだ。韓国地方行政研究院の調査を引用し、住民自治会を施行している地域では73%の市民が「住民自治会の活動に参加している」とし、78%が「自治会のおかげで町が発展した」と評価していると伝えた。

●試験運用地域は1.5倍に増加

今年4月、行政安全部は各自治体に「住民自治会」に関する案内所を配布した。

その中で提示した住民自治会に関する標準条例案の中では、「青少年と外国人住民の参加の機会を保障する」と明記し、さらに同会委員の参加年齢を「選挙権に合わせ、これまでの19歳から18歳に引き下げる」とした。

さらに、住民自治会を「代表的な(行政への)参加制度」とするために、オンラインシステムの整備や活動空間を提供する義務があることを、各自治体に知らせた。既存の条例にこうした項目を含めよ、ということだ。

こうした動きは拡散を続けている。

行政安全部は先月29日、全国50の市郡区、218の洞・面・邑を住民自治会の試験実施地域に含めることを決めた。これまでの408から、1.5倍に増える大幅な拡大だ。

京畿道では5日、報道資料を配付し、道内の住民自治会の広がりについて説明した。

これまでの47の地域で試験運用されていたものと今回追加された57の地域を含めると、道内の19.2%にあたる104の自治体で住民自治会への転換が行われるというものだ。

道ではまた、住民自治についての教育課程(6時間義務)を用意し、広報の拡大などサポートをしていくという。

今後、地方自治法が改定される場合、住民自治会は法的な地位を認められることになる。

これにより、住民が行政に直接参加する「草の根民主主義」の拡散に拍車がかかるものと見られる。本紙でも全国の事例を関心を持って集めていきたい。