[韓国大統領選D-85]写真で見る主要候補の選挙活動(12月14日)
[韓国大統領選D-85]写真で見る主要候補の選挙活動(12月14日)
  • 徐台教(ソ・テギョ) 記者
  • 承認 2021.12.14 18:42
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来年3月9日の大統領選投票日まで、主要候補の動静を写真で追うシリーズ。今回は各候補の12月13日の選挙活動のうち、目に止まった内容を紹介します。

(1)李在明(共に民主党)

与党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン、57)候補は13日午後、慶尚南道浦項(ポハン)市のPOSTECH(浦項工科大学)で行われた故朴泰俊(パク・テジュン)POSCO(浦項製鉄)名誉会長の10周忌に参加した。

朴会長は、故朴正熙(パク・チョンヒ)大統領の側近として、浦項製鉄を築き上げた人物として知られる、『漢江の奇跡』と呼ばれる韓国の産業化を象徴する人物の一人だ。

韓国メディアによるとこの日、李候補は報道陣を前に「(朴会長は)過去、更地に製鉄産業の土台を築き、産業化に大きく寄与した人物」と述べ、「世界経済の大転換に合わせ、韓国の経済を質的に転換すべき時点で、荒れ地の上に鉄鋼産業を打ち立てた朴会長の挑戦と成功が大きな示唆点をくれる」と自身の主張に重ねた。

これにより李候補は、3泊4日にわたる大邱・慶尚北道という保守層が多数を占める地域への訪問を終えた。李候補はその間、故朴正熙大統領を「再評価」し、この日も「陣営でなく、人物と能力で判断して欲しい」とするなど、保守層への支持を訴えていた。

13日午後、慶尚南道浦項市のPOSTECH(浦項工科大学)で行われた故朴泰俊POSCO名誉会長の10周忌に参加した李在明候補。共に民主党提供。
13日午後、慶尚南道浦項市のPOSTECH(浦項工科大学)で行われた故朴泰俊POSCO名誉会長の10周忌に参加した李在明候補。共に民主党提供。

(2)尹錫悦(国民の力)

最大野党・国民の力の尹錫悦(ユン・ソギョル、60)候補は13日、ソウル市江北(カンブク)区の彌阿(ミア)洞の再開発区域を訪問した。この日の訪問は、同党所属で今年4月の補欠選挙で当選した呉世勲(オ・セフン、60)市長が同行した。

築40年を超す住宅が多く、ソウル市の「迅速統合地域」に指定されている地域を歩いた尹候補は、記者団に対し「住宅市場に供給が増えるという信号を送れば、価格上昇の圧力を減らし、不動産価格を抑制することができる」と持論を述べた。

一方で尹候補は、故朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長や文在寅政権が「ニュータウン計画をすべて解除したこと」が文政権下での不動産価格の高騰を招いたという見解を明かした。

13日、ソウル市江北区彌阿洞の再開発区域を訪問した尹錫悦候補(中央)。右は呉世勲ソウル市長。国民の力提供。
13日、ソウル市江北区彌阿洞の再開発区域を訪問した尹錫悦候補(中央)。右は呉世勲ソウル市長。国民の力提供。

(3)沈相奵(正義党)

第二野党・正義党の沈相奵(シム・サンジョン、62)候補は13日午前、国会で記者会見を開き、「コロナ世代、青年の機会損失補償」公約を発表した。

沈候補はこの中で、新型コロナのまん延が始まった2020年、大学新入生の中退者が2400人にのぼり、20代の雇用率が全世代で最も低下、さらに失業者が10%まで上昇している点を指摘した。

その上で、2020年から2022年までを「新型コロナの時期」と定め、▲新型コロナ時期の卒業生と除隊軍人(徴兵後に社会復帰する者)のための無償就業教育の実施、▲同時期の負債の軽減、▲地域主導型の青年10万人の雇用創出、▲青年への心理治療の提供という4つの公約を明かした。

13日午前、国会で記者会見を開き、「コロナ世代、青年の機会損失補償」公約を発表する沈相奵候補(中央)。正義党提供。
13日午前、国会で記者会見を開き、「コロナ世代、青年の機会損失補償」公約を発表する沈相奵候補(中央)。正義党提供。

(4)安哲秀(アン・チョルス)

第三野党・国民の党の安哲秀(アン・チョルス、62)候補は13日、韓国科学技術総連合会を訪問し、懇談会を行った。

韓国メディアによると安候補はこの席で、▲新型コロナ、▲第4次産業革命、▲米中間による技術覇権争いというテーマについて議論した。中でも、技術覇権が世界の地形を変えるとし、このために科学技術を知るリーダーが重要だと持論を述べた。

医師出身で韓国の著名IT企業の創業者でもある安候補は、最近とみに「超格差技術」の開発による韓国の経済立国を主張している。これは他の追随を許さない特別な技術を指すものだ。

13日、支持者とのYoutubeライブを行う安哲秀候補。同Youtubeをキャプチャ。
13日、支持者とのYoutubeライブを行う安哲秀候補。同Youtubeをキャプチャ。

(5)金東兗(キム・ドンヨン)

新党・新しい波の金東兗(キム・ドンヨン、64)候補は13日、ソウル市内の慶熙(キョンヒ)大学校でトークコンサートに参加した。

韓国メディアによると、金候補はこの席で「今は新型コロナによる経済危機で、国がお金を使わなければならない時」とし、「財政の健全性の価値よりも重要なことは、経済が回復する弾力性を作ること」と主張した。

韓国政府は昨年から続く新型コロナ禍の中、防疫のため営業時間の短縮など身を切ってきた自営業者に対する補償が他の先進国に比べ低い点で批判を受けている。

「出し渋り」の先頭には日本の財務省にあたる企画財政部がいるとされ、前企画財政部長官(兼経済副総理)を務めた金候補が、「後輩」を批判した形になる。

なお、新党・新しい波の中央党結党式は19日に行われる。

13日、ソウル市内の慶熙(キョンヒ)大学校でトークコンサートに参加した金東兗候補。新しい波提供。
13日、ソウル市内の慶熙(キョンヒ)大学校でトークコンサートに参加した金東兗候補。新しい波提供。

 


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